今回は『mip_matteshadow』について調べていこうと思います。
このノード、仕事であまり使ったことないんですよね。
そのためか、ちらほら分からない所があります。
さて『mip_matteshadow』ノードですが、マニュアル的には『useBackground』のすごい版といったところでしょうか。
『useBackground』はshadowとReflectionを取得することができますが、
『mip_matteshadow』はそれらに加えてAOとIndirectが取得(catch)でき、さらにより詳細な設定することができるノードと認識しています。
ただ感覚としては『surfaceShader』にshadowやReflection、AO等が付加されたものという方が分かりやすいかもしれません。
また個人的には、要素のみを取得するというより、背景との合成用のノードといった特性の方が強い気がします。(shadowのresultにAOが入っていたりするので)
検証用には下のようなシーンを作成しました。
地面オブジェクトにmip_matteshadowを適応してあります。ライトはdirectionalが一つ。Shadowはレイトレースです。
それではパラメータをひとつひとつ見ていきたいと思います。
Background
背景色です。レンダリングしたときに、ここで指定した色が表示されることになります。
以前書いた、bent_normalノードの所はこのBackgroundに、mip_cameramapを割り当てて即席背景を作ったりしてました。
気をつけたいのは、下の画像をよく見ると分かるのですがドラゴンに背景色が映り込んでいる点です。
『mip_matteshadow』 は写り込みや、FinalGatherに影響します。
もう一つ気をつけたいのは、なんとなく背景部分はアルファで抜かれていると思いがちですが(私だけ?)、そんな事はないのです。
アルファを持たせたければBackgroundに『useBackground』なり『mib_color_alpha』なりを繋いでアルファを作る必要があります。(まったくもってめんどくさい)
Catch Shadow
Shadows
影の色です。このあたりはまだ分かりやすい。(この影の色も写り込みやFinalGatherに影響します)
Ambient
そのままアンビエント。デフォルトは 0.2、0.2、0.2 の灰色。
こいつがちょっとした曲者だったりします。
こいつ、他のいろんなパラメータに影響します。
たとえばAmbientが黒の場合、影が濃く、白に近づくにつれ薄くなります。
また、Ambientが黒だとAOがONでも、オクルージョンが現れないので注意が必要です。ちょっとでも白が入っていればAOの効果は現れるのですが。デフォルトが微妙に灰色なのはそのためでしょうか?
アンビエントライトがあると思えば分かりやすいかもしれません。
No Self Shadow
ONだとセルフシャドウが無効になる・・・はずなのですが、これデフォルトのままだと影が落ちてしまいます。
どうすればよいかというと、”ShadingEngine”の”ShadowShader”にmip_matteshadowを繋ぎます。
これしてないと、NoSelfShadowになりません。
ちなみに、このNo Self ShadowはAOにも影響するようです。
このあたりが、maya mentalrayの面倒さとわかりにくさの原因ではと思っていたりします。
Use Dot Nl
マニュアル曰く、「入力ライトの量を計算するときにライトの角度を考慮するかどうかを指定します」だそうです。
ON/OFFで影の濃さやなんかが微妙に変わります。
いまいち、ちゃんと理解し切れていない項目なのですが、基本ONでいいんじゃないでしょうか?
Colored Shadows
影に色をつけるかどうかの設定。0の場合グレーに、1の場合フルカラーになる。
注意する点は、ここでいうカラーとはライト側で設定された”Shadow Color”アトリビュートに対してということ。『mip_matteshadow』の”Shadows”で設定したカラーには影響しません。
ちなみに、ライトの”Shadow Color”と『mip_matteshadow』の”Shadows”の両方に色を入れると、影の色が混ざる。
AO On
Ao Samples
AO計算時のレイのサンプル数。値が高いほどノイズが少ない。
Ao Distance
AOの最大距離。0は特殊値で距離無制限。
このあたりは、『mib_amb_occlusion』や『mia_material』のAOと同じですね。
Catch Reflections
反射が有効になります。参考画像は見やすいようにBackGroundを黒にしてあります。
Refl Colow
反射のカラー。明度で反射の強さ。色相彩度で反射の色が変わる。
Refl Subtractive
和訳すると減算カラーでしょうか。
デフォルトの白っぽくコントラストの低い反射を、オリジナルカラーに近づけるときに使ったりするようです。減算なので、色を入れるとその補色が出てくる。
Refl Sample
反射のサンプル数。0は特殊で完全ミラー反射。”Refl Glossiness”に影響される。
Refl Glossiness
反射の光沢度合い。値を下げるほど反射がぼける。1で完全ミラー反射。
Refl Max Dist
反射の最大距離
Ref FallOff
最大距離に向かって減衰する際の、減衰率。このあたりは『mia_material』と同じ。
Catch Indirect
間接光を取得できる。(FinalGatherを有効にする必要あり)
Indirect
Multiple Outputs
Offの場合はResultのみの出力。複数の要素を出力する場合はON。
Catch Illuminators
わかりません。
Illuminatorsを取得できるのは名前で分かるのですが・・・。はて?
Additional Color
オフセットカラー。
Mode
ライトリンクのモード。デフォルトが一番よいのではないでしょうか。詳しくはこちらのマニュアルを参照。
いくつか不明点を残しつつも、mip_matteshadowノードについてはここまで。
二回に分けてもいいなと、思いつつ気がつけば一気にやってしまいました。
不明点はわかり次第、補強したいと思います。
また、嘘大げさ紛らわしい勘違い等ありましたら、ご指摘いただけるとうれしいです。
Mayaは2012の英語版を使用しています。
最新のバージョンとは異なる可能性がありますのであしからず。
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