現在発売中の、拙著「Houdini ビジュアルエフェクトの教科書」の表紙メイキングをご紹介します。
当初、”本の空いたページにこのメイキングの内容を入れようか”、という話もあったのですが、結局入れられなかったので、当サイトでの掲載と相成りました。
タイトルとか、帯とかを全部外すと表紙はこんな感じです。
Houdiniっぽさと、シンプルな見た目を心がけたつもりですが、どうでしょう。
作業画面はこんなです。
このアートワークは、大きく分けると3つの要素から構成されています。
柱状の縦長渦(左画)、画面手前に迫ってくる帯渦(中央画)、その他(右画)。
以下、簡単な作り方を紹介してゆきます。
柱状の渦
たくさんのラインを用意してTwist(SOP)で捻じる、です。これだけ!
手前に迫ってくるヤツ
元形状はL-systemで作ったグルグルです。
これを増やして、バラして、一部メッシュ化して、といろいろやってます。
その他
賑やかし素材です。
ラインのある近辺だったりに、ポイントを配置しているだけです。
大きい球体は手でひとつずつ配置してます。アナログです。
作りたいものがある程度イメージ出来ていて、且つそれがルール化し難い場合は、プロシージャルに拘らないほうが結果として効率的な場合もあります。
ここでは「イイ感じに配置」したかったので、イイ感じに手で配置します。
そんなこんなで、メイン画像やら背景やら、幾つか素材を出して、合成したのが本書の表紙になります。
こうして要素ごとに見ていくと、結構シンプルなつくりで、「私にも作れちゃいそう」って思いませんか?
できますよ、たぶん。
合成作業もすべて、Houdiniで行っています。
Houdiniでの画像合成については、本の中の作例でも少し触れています。
被写界深度つけたりとかね。
ちなみに、表紙と裏表紙合わせて一枚絵にする案も当初ありました。
なので画面の外側も少しだけ意識して作ってたのです。
こんな感じ。
謝辞と余談
はじめに、「動きを感じる絵」「空間を感じる絵」のお題を担当編集者さんから頂きまして作った記憶があります。
何種類か作った中から、最終的に2案に候補を絞り編集者さんにお見せして、結果この絵が表紙と相成りました。
没ったけどもう一案も悪くないので、近々メイキング記事にしようかと考えています。
表紙を作るというのは初めての経験だったので、絵作り以外のとこでもいろいろ考えました。
「このレイアウトならタイトルは上、もしくは下に入るはず」とか、
「全体的に暗いか?いやこれならタイトルが明るい色になるはずだから、結果コントラストが効いて目立つ」とか、
「もう分からんなってきたから、これでいいや~」とか、
いろいろ考えて作ったのですが、結果的に良い表紙が出来たと思っています。
タイトルのデザインやレイアウト等は、担当のデザイナーさんが作ってくださいました。
本の最後の方のページでそのあたり確認できます。
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございましたm(_ _)m
そんな表紙が目印の拙著「Houdini ビジュアルエフェクトの教科書」現在発売中です。
追記
本を購入された方、もしよろしければAmazonのレビューに感想やご意見を書いていただけるとうれしいです。
ちゃんと世間のニーズを満たしているのか、それとも外しているのか、とかいろいろ気になるものでして。
面白かった、つまらなかったなど、何らかの反応があると励みになります。
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