今度は『miss_fast_skin_maya』です。
長くなる気がして避けてきたのですが、そろそろ向き合わねばならぬ時がきたか、と。
検証にあたって以下のようなシーンを用意しました。
Mayaは2012の英語版。
ライトはエリアライトでオーソドックスな3点照明。
unit単位はcm。比較に置いてある煙草は実寸サイズです。
マテリアルの設定で意外にも大事なのはシーンのスケールだったりします。
モデルを実寸で作るのか、それとも1/10 or 1/100で作るのかによって調整しなければならないパラメータがあるからです。
上のシーンのドラゴンをレンダリングするとこんな感じになります。
エッジが薄く透過する程度に”Scale Conversion”の値を鶏冠がうっすら透ける程度に調整してありますが、基本はデフォルト設定です。
これをベースにします。
各アトリビュートのまえに、miss_fast_skin_mayaノードのレイヤー構成について確認したいと思います。
miss_fast_skin_mayaノードは以下のように、複数のlayerから構成されていると考えると分かりやすいかもしれません。
上から、Specular、Overall、Ambient、Diffuse、Epidermal、Subdermal、Backの順。
これらの要素を個別に調整して、目的の質感を作っていくことになります。
それにしても要素、多いですねw
前置きが長くなってしまいましたが、miss_fast_skin_mayaノードの各Attributeをみていきたいと思います。
Diffuse Layer
Ambient
アンビエントです。日本語だと周囲光かな。デフォルトは黒
(“bent_mormal“とか使って環境光をエミュレートした場合は、その結果をここにコネクトしとけばいいんだったかな)
Overall Color
マテリアルに入射する光の色?を決定することができます。ライト側の色を変更するのと同じような効果があるそうな。その色のライトで照らされているような効果とでも言いましょうか。上手い言葉が見当たりません。
白黒テクスチャがコネクトされることが多いと思います。黒くすると、そこだけ光が遮られたような効果が得られます。
“Diffuse Layer”と”Subsurface ScatteringLayer”に影響します。”Specularity Layer”には影響しません。
Diffuse Color
ディフューズのカラーですね。これは特に説明は必要ないかと。いわゆるカラーテクスチャをコネクトするところです。
Diffuse Weight
ディフューズのウェイトです。って全然情報が増えてませんねw。
えーと、”Diffuse Weight”の値と”Diffuse Color”のValue(明度)が掛け合わされた値が最終的にDiffuseのValue(明度)になります。(色相と彩度はそのまま)。なので、Diffuseの明るさと思っておけば良いのでは。
デフォルトは0.3。
Subsurface Scattering Layer
“miss_fast_skin_maya”ノードのSSSは3層あります。Epidermal(表皮)、Subdermal(皮下)、Back
の3つです。他のノードやソフトでは、EpidermalはFront、Subdermalはmiddleとか名称が違ってたり、3層ではなく2層だったりしますが、基本はだいたい一緒です。
Epidermal&Subdermalとはなんぞや?、はマニュアル参照ってことで。
Epidermal Scatter Color
表皮の色。
(下はEpidermal Color意外は共通ほぼデフォルトです)
Epidermal Scatter Weight
Epidermal Colorのウェイト値。
値の意味はDiffuse Weightの場合と同様です。
Epidermal Scatter ColorのValue(明度)と、このEpidermal Scatter Weightが掛け合わされた値が、レンダリング時のEpidermal ColorのValue(明度)になります。HueとSaturation(色相と彩度)はそのまま。
デフォルト0.5
Epidermal Scatter Radius
表皮のスキャッタリング半径・・・和訳にしかならない。
えーと、つまりあれか、ざっくり表面でどれだけ拡散するかという半径ですね。
深さと間違いがちですが、あくまで横方向の拡散半径です。
Epidermal、Subdermalともに層の深さに関するパラメータはありません。あくまでそれぞれの層をどの程度の割合(Weight)で重ねるかというだけです。
深さに関するパラメータがあるのは後述するBack Scatterだけです。
絵で見るとこんな感じでしょうか↓?
すこし話がそれてしまいましたね。戻りましょう。
パラメータに話を戻しましょう。
Epidermal Scatter Radius、デフォルトは8。単位はmm。
マニュアル曰く、5~10の間がちょうどいいんじゃない、とのこと。
Scale Conversionと掛け合わされた値が最終的な半径になる。(あれ? ×じゃなくて÷んだったっけかな?)
モデルのサイズに気を付けなければいけないのは、こういう項目があるためですね。
(↑分かりずらいw。まるで間違いさがし。たぶん右の絵のほうがEpidermalの範囲が深いはずなのだが・・)
Subdermal Scatter Color
Subdermal Scatter Weight
Subdermal Colorのウェイト値。Epidermalのと意味はいっしょ。
デフォルトは0.4。
Subdermal Scatter Radius
皮下のスキャッタリング半径。Epidermalのと意味はいっしょですね。デフォルトは25で単位はmm。マニュアル曰く、10~25がいいんじゃない、とのこと。
Scale Conversionの影響を受けます。
(右の絵のほうが影部分が若干明るかったり色々違うのだけれど・・・微妙すぎて並べてみてもわからないw)
長くなりましたが、ひとまずここまでにしたいと思います。
Mayaは2012の英語版を使用しています。
最新のバージョンとは異なる可能性がありますのであしからず。
次回はBack Scatterから。
以下は雑談です。
mayaのMentalrayにはsssと名のつくものが沢山あり、はじめはどれを使えばいいのやらと迷うこと間違いなしです。その沢山あるなかで、『miss_fast_skin_maya』を選んだかというと、これが単一ノードで、かつ必要なパラメータをほぼすべて網羅しているからです。(そのかわり、Pass出力に対応していないため、Pass出力を前提にした組み方をする際には使えなかったりします)
これで必要なパラメータを覚えてしまえば、きっと他のノードを勉強する時に、すんなりと理解できるのではないでしょうか。
Sub-Surface Scattering系のノードをやるにあたって、肌の質感の作り方やなんかもとりあげようかと思いましたが、ここはあえて今までどおり、パラメータをチクチクと確認していくことにしました。
肌の質感とかについては、探せば参考になるサイトが沢山ありますしね。自分はこちらのサイトのお世話になりました。日本語でわかりやすかったです。
偉そうなことを言ってますが実は、Sub-Surface Scattering(以下SSS)系はそれほど経験豊富ではありません。
なので、それこそ一緒に学んでいく感じで進められればと思っていますです、はい。
それでは、また次回。
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